第20回 WTF! Genetic trans-kingdom sex?

谷内江@トロントです。今年はまだ日中はコートなしでも歩けるくらい暖かい日もありますが、街はすっかりクリスマスの雰囲気です。

ひょんなことから大腸菌と酵母が接合できるという古典的な論文を見つけました (1-3)。
cerevisiaeのoriとleu makerを持ったプラスミドが大腸菌から酵母に接合によって移せるというものなのですが、これ有名な事なのでしょうか?
レシピエントの5×10^-5がプラスミドを受け取る程度の効率で、たぶん酵母の細胞膜が頑丈だからと議論しています。
スフェロプラスト化してやると効率は上がるでしょうか?この方法遺伝子工学的ツールとして強力なものになる未来はあるでしょうか?

1) Stachel SE, Zambryski PC (1989) Bacteria-yeast conjugation. Generic trans-kingdom sex? Nature 340, 190-191
2) Heinemann JA, Sprague GF Jr (1989) Bacterial conjugative plasmids mobilize DNA transfer between bacteria and yeast. Nature 340, 205-209
3) Sprague GF Jr (1991) Genetic exchange between kingdoms. Curr Opin Genet Dev 1, 530-533

投稿日: 2012年12月20日 | カテゴリー: Uncategorized | パーマリンク 5件のコメント.

  1. 谷内江さん、話題提供ありがとうございます。

    本題とは外れますが、おかげで酵母の形質転換の歴史をおさらいすることになりました。特にLiAc法の形質転換を最適化したことで有名なGietz氏が書いた「酵母の形質転換の歴史レビュー」を見つけることができました。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11314265

    「ああ、あの頃、酵母の形質転換が大変だったけど、Itoさんがいい方法を開発されて、その後「ヒートショックが15分(!)」という情報を先輩が学会で仕入れてこられて・・・」、などと当時を思い出しました。今、LiAc法があまりにも最適化されていて便利なので、これ以上の要求があまりないんですよね。

    実は、以前酵母のMLで話題になったのですが、酵母の形質転換効率を、「μgDNAあたりのコロニーの数」ではなくて、「形質転換に用いる細胞あたり何%か」で考えて、これを100%(数10%でもOK)に近い数字にできたら、いろいろ面白いことができるようになるのではないかという話題がありました(コロキアムでもやりましたっけ?)。

    ほ乳類の形質転換ではこういう効率ですよね。これができると、栄養要求性などの選択マーカーを使わないで、GFPをつかって直接顕微鏡で形質転換細胞を観察することができるようになりますよね。まあ、そうなったら今度は何ができるのか、ということにはなりますが。

    さて、話を戻しますと、谷内江さんが書かれている方法も、当時はまだLiAc法の効率が低かったようで、これを酵母の形質転換に試された方もいたようですね。私は存じ上げませんが、広島大学の吉田先生のグループがやってらしたようです。
    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2248784

    これも多分ですが、LiAc法がでてきてしまったので、効率とやりやすさの面で、使われなくなったのではないかと想像します(上記、Gietz氏のレビューにもでてきません)。

    「なんか面白い使い方ないか?」という提案なのに、発想力がないせいで、話題を収束させてしまうようなコメントですみません。

  2. 私の先ほどのコメントですが、第3回で思いっきり書き込んでいましたね。すみません。まあ、繰り返し繰り返し議論するのもありということで許してください。

  3. 谷内江@トロントです。守屋さんありがとうございます。
    いや100%のcfuを得る事ができたら本当に素晴らしいですよね。
    そんな前提だけでいろんな夢のような妄想実験ができますねー。複数プラスミドを一度に放り込めますからね。どーんと細胞膜と核に穴を開けてDNAを流し込むような方法ないもんでしょうかね。

    大腸菌とのconjgationですが、たしかタンパク質も運べるはずなので、conjugation iventマーカーとしてのプラスミドと同時にタンパク質を運ぶトリックは考えられないでしょうかね。大腸菌から枯草菌だかにconjugationでGFPタンパク質を流し込むようなのを数年前にCell誌で見た気がします。

  4. ちなみにGietzさんの方法はNature Protocolsでプロトコルを見つけることができます。重宝しています。谷内江@トロント

  5. 守口 和基

    広島大学の守口と申します。
    守屋先生の紹介にありました広島大学の吉田先生の流れを組む者です。吉田先生の元で研究されていた岡山県農林水産総合センター生物科学研究所の西川さんに「酵母コロキアム」を紹介して頂きました。

    よろしければ以下の論文を参考に実験目的にかなうかどうか判断して、試してみて下さい。
    (1) Appl. Environ. Microbiol. July 2013 vol. 79 no. 14 4393-4400
    http://aem.asm.org/content/79/14/4393.full
    (2) PLoS ONE 8(9): e74590. doi:10.1371/journal.pone.0074590
    http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0074590

    端的に申し上げますと、
    「ベクターの供与体となる大腸菌のcultureと受容体となる酵母のcultureそれぞれ25µlを混合して1時間incubate後、選抜培地に塗り拡げると十から百程度の形質転換体が得られる」
    という簡便さと形質転換効率のレベルです。Heinemann達が行っていたように延々と手間ひま掛ける必要はありません。プレートに拡げておいた受容体となる酵母を爪楊枝で拾って懸濁して頂いても結構です。

    「形質転換に用いる細胞あたり何%か」で考えて、これを100%(数10%でもOK)に近い数字にできたら・・・というご希望には残念ながら沿う事はできません。LiAc法との比較(形質転換効率の計算が同じではないので単純比較がそもそもできないのですが)では、受容細胞あたりで考えると、ベクターDNAを沢山お持ちならLiAc法が有利、少量しかお持ちでないなら生物界間接合法が有利という表現になります。生物界間接合法では大腸菌そのものの体積を考えると、1個の酵母に物理的に接触できる菌数は限られていますので、供与体となる大腸菌を増やしさえすれば効率が上がるというものではありません。上記AEM論文にてGietz氏をpotential refereeとして紹介して査読を受けたかぎりでは、referee(Gietz氏と決まったわけではありませんが)は生物界間接合法をご存じないようでした。

    1つのコンストラクトを多サンプルにルーチンとして導入したい(形質転換体は沢山取れる必要はない)とか、お金かけたくないとか、ベクターDNAを取る手間・試薬作りが面倒とか、コンピテントセル調整の手間・試薬作りが面倒とかいう場合は向いているように思います。

    供与菌となる大腸菌株(S17-1)はNBRP E.coli, 生物界間接合用ベクター(Y2H用、YCpタイプベクター)はNBRP Yeastにございますので、ご利用ください。S17-1を用いずにヘルパープラスミドが必要な場合は、広島大学の鈴木克周先生もしくは岡山県農林水産総合センター生物科学研究所の西川正信先生にお問い合わせください。もちろんお呼びいただけるのでしたら、可能な限り時間を見つけて直接やり方を紹介させて頂きます。日々の皆様の研究の中での「作業」の一部に取り入れて頂ければそれが理想です。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

w

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。